成年後見制度、途中終了や交代しやすく
2026年2月24日更新
2026年1月、成年後見制度に関し、法制審議会において「改正要綱案」が取りまとめられました。
実際に制度が成立・施行されるまでには、一定の時間がかかると見込まれますが、法務省はこの答申内容をふまえて民法の改正を目指すとしています。
そもそも成年後見制度とは?
成年後見制度とは、認知症や知的障害、精神障害などにより判断能力が十分でない方について、家庭裁判所が後見人等を選任し、財産管理や契約手続などを支援する制度です。
現行の成年後見制度の問題点
- 一度始めると、原則やめられない
現行制度では、後見等が開始されると、判断能力が回復しない限り制度を終了できず、特定の手続のために利用した場合でも継続せざるを得ない仕組みとなっています。
- 生活のすべてを管理されてしまう
とくに後見類型では包括的な代理権が付与されるため、財産管理だけでなく生活全体に影響が及び、本人の自己決定が大きく制限されてしまうという指摘があります。
- 本人の意思が尊重されにくい
実務では財産管理が中心となりやすく、本人がどのような生活を望んでいるのかといった意思が、十分に反映されにくい場面も少なくありません。
今回の「改正要綱案」で何が変わるのか?
- 「後見・保佐・補助」が「補助」に一本化される方向へ
三つの類型を整理し、「補助」を基本とする仕組みに再編し、本人の状況に応じた支援を柔軟に設計できる制度とする方向が示されました。
- 包括代理を見直し、支援の類型を整理
包括的な代理権を前提とせず、同意権・取消権・代理権など支援内容を個別に付与する仕組みへと転換されます。
- 成年後見制度が「途中で終われる」制度へ
支援の必要がなくなった場合には、家庭裁判所の判断により制度を終了できる仕組みが検討されています。
- 本人の意思・同意がより重視される
支援の内容や範囲について、本人の意思や同意を重視する考え方が明確に打ち出されています。
一般市民や実務への影響
- 補助制度を使う心理的ハードルが下がり、「一度使うとやめられない制度」というイメージが見直され、利用しやすくなることが期待されます。
- 特定の手続きのためだけに成年後見制度を利用するという選択が、より現実的になります。