全国の所有不動産を一覧で把握
2026年2月9日更新
2026年2月2日から、日本で新たに「所有不動産記録証明制度」が施行されます。
これは、特定の人が所有する全国の不動産を一覧で把握できる仕組みを法務局が整備し、証明書として交付する制度です。
「所有不動産記録証明制度」とは
実務家の間では「全国版名寄帳(なよせちょう)」とも呼ばれており、今後の不動産登記・相続実務に大きな変化をもたらすとも言われています。
これまでの不動産登記制度では、土地や建物ごとに登記簿が作成され、全国の不動産から一人の所有者がどの不動産を持っているかを一括して調べる仕組みがありませんでした。そのため、特に相続が発生した場合、相続人が被相続人の全ての不動産を見落とさずに把握することが困難でした。こうした問題を解消し、所有不動産の把握を容易にするために本制度が新設されました。
利用できる人・請求方法
所有不動産記録証明書を請求できるのは、当該不動産の名義人本人、相続人、法定代理人、またはこれらから委任を受けた代理人に限られています。一般の第三者や債権者、近隣住民などは請求できません。請求方法については、法務省が定める様式に基づいて手続きを行い、法務局の窓口や郵送で請求することが想定されています。証明書の交付には所定の手数料が必要となる見込みです。
メリットとデメリット
非常に便利な制度ですが、従来の手続きと比較して注意点もあります。
【メリット】
- 特定の個人・法人が所有する不動産を原則、全国単位で漏れなく把握できる。
- 全国の最寄りの法務局で、一括して一度に請求が可能。
【デメリット】
- 名寄帳と異なり、評価額等は記載されない(あくまで所有不動産の一覧が出るだけ)。
- 従来の名寄帳や評価証明書に比べ、費用(手数料)がやや高め。
- 提出書類や本人確認が厳格。
- 即日交付は不可と思われる(制度開始当初は、2週間程度かかると想定されている)。
- 登記簿上の氏名や住所が現状と一致していない場合、特定の不動産が一覧に抽出されない可能性がある。
まとめ
本制度は相続の手続き負担を軽減し、登記漏れを防止するための重要な制度改革です。特に相続が絡む不動産の手続きでは、被相続人の所有不動産を漏れなく把握することが極めて重要であり、本制度の活用によってその負担は大幅に軽減されることが期待されています。今後、具体的な請求手続きや運用ルールがさらに整備される予定ですので、実務面でも最新情報を確認しながら対応していくことが求められます。