ひまわりコラム

相続登記を行ったらダイレクトメールが送られてきた!

Q 相続登記を行ったら、不動産業者から売却を持ちかけるダイレクトメールが何通も送られてきました。
どこから情報が洩れているのでしょうか?

A 相続登記を終えた直後に、「不動産を売りませんか」「無料査定いたします」といったダイレクトメール(DM)が立て続けに届く――。

近年、こうしたご相談が非常に増えています。登記を依頼した司法書士や役所から個人情報が漏れているのでは、という不安を抱かれる方も少なくありません。しかし、実際には“情報漏えい”ではなく、法務局が公開している資料をもとに、不動産業者が合法的に情報を収集しているのが実情です。

不動産の登記情報は、所有者を明確にし、財産の安全を守ることを目的として公開されており、誰でも閲覧できます。ただし、業者が全国の登記簿を一件ずつ確認しているわけではありません。では、どのようにして「相続があった物件」を効率的に把握しているのでしょうか。

その鍵となるのが、法務局が備えている「不動産登記受付帳」と呼ばれる一覧表です。これは、どの不動産について、いつ、どのような理由で登記申請があったのかをまとめた行政文書で、「相続」「所有権移転」「抵当権設定」など、登記の目的が記載されています。業者はこの受付帳を情報公開請求により入手し、住所を手掛かりに登記簿を追加取得することで、所有者の氏名や住所を把握し、DMを送付しているのです。

受付帳には所有者名までは記載されませんが、登記簿をたどれば、誰が相続したかという情報に到達できます。近年、相続登記直後にDMが届くケースが急増しているのは、この受付帳の活用が広まったためです。

実際、総務省の公表資料では、受付帳の開示請求件数は近年大きく増加し、2024年度には全国で約14万件に達しました。その多くが、不動産業者による相続物件の調査とされています。こうした状況により、「相続登記=DMが届く」という構図ができあがってしまったのです。

しかし、過剰なDMに不安を覚える方は少なくありません。「相続直後のデリケートな時期に営業をかけるのはどうなのか」という声も多く、司法書士にも苦情や問い合わせが寄せられることがありました。このため法務省は、2026年10月から受付帳の書式を見直し、登記の目的(相続・売買など)や所在地情報を非公開とする方針を打ち出しています。これにより、営業目的の請求は大幅に減ると見込まれています。

相続登記を行ったからといって、司法書士や役所から情報が漏れるわけではありませんので、どうかご安心ください。DMが届いても、無理に対応する必要はありませんし、売却を検討していない場合は無視して問題ありません。気になる点があれば、当事務所にお気軽にご相談ください。

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