ひまわりコラム

離れて暮らす親に勧めたい“財産の見える化”

高齢の親が遠方で暮らしており、いざという時に親の財産状況が分からないのではと心配です。銀行口座や保険、不動産などを事前に把握しておくには、どうすればよいでしょうか?
お盆で帰省した際に話をしたいと思っていますが、親にどう話を切り出せばよいかも悩んでいます。

A  親が高齢になり、実家も遠方でなかなか頻繁に会えない──こうした家庭は多いのではないでしょうか。元気そうに見えても、年齢を重ねるにつれ、物忘れや判断力の低下が少しずつ現れてくるのは自然なことです。そんな中で注目されているのが「財産の見える化」です。
「財産の見える化」とは、親の財産や契約関係などを整理し、家族が把握できるようにしておくことを指します。預貯金の口座や保険、不動産、有価証券、借入れの有無、年金の受給状況、さらにはデジタル財産(ネットバンキング、電子マネーなど)も含め、全体像を一覧にまとめることで、いざというときの備えになります。
親が急に入院した、あるいは認知症を発症したとなれば、家族が代わりに手続きや対応をする必要が出てきます。しかし、どこに何の通帳があるのか、どこの銀行に口座があるのかさえわからず、手がかりもないまま右往左往するケースは少なくありません。必要な手続きが進まず、医療費や介護費用の支払いに支障が出ることさえあります。
さらに、相続が発生した際に、財産の把握が不十分だと、相続人同士で「まだ他にも財産があるのでは」と疑心暗鬼になり、遺産分割の話し合いがこじれる原因にもなります。反対に、財産がしっかり整理されていれば、手続きも円滑に進み、家族間の信頼関係も保たれやすくなります。
では、どのように「見える化」を進めるのがよいのでしょうか。まずは、簡単な「財産目録」や「エンディングノート」に親と一緒に記入することから始めてみましょう。記入する内容は、「○○銀行の通帳がある」「△△保険に入っている」など、具体的な金額でなくても構いません。所在や種類がわかるだけで、家族は大きな助けを得られます。
また、最近ではパソコンやスマートフォンを使った金融サービスも一般的になっています。ログインIDやパスワードなどをどこに記録しているか、家族が把握しておくことも、現代の“見える化”には欠かせません。
親に「財産を見せて」と切り出すのは難しい面もありますが、「何かあったときに困らないように」「無駄な出費やトラブルを防ぐために」といった話し方をすれば、理解してもらいやすいでしょう。
離れて暮らすからこそ、将来の安心のために、今できる備えを進めてみませんか。心配ごとを先送りせず、信頼できる司法書士やファイナンシャルプランナーに相談するのも有効な方法です。

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