なぜ登記申請にメールアドレス?
2025年5月2日更新
最近、相続で不動産を取得したのですが、相続登記のときに司法書士からメールアドレスを尋ねられました。 法務局に登録を行うようですが、これはなぜでしょうか?
令和7年4月21日より、不動産の所有権の登記申請時に、申請書に「ふりがな」「生年月日」「メールアドレス」の記載が求められるようになりました。
また、すでに登記されている所有者も、これらの情報を追加で申出できる仕組みが導入されます。これは、来年から義務化される住所変更登記の負担軽減のための措置です。
どのような関係があるのですか?
令和8年4月1日から、不動産の登記名義人は住所や氏名に変更があった場合、2年以内に変更登記を行う必要があり、正当な理由なくこの申請を怠ると5万円以下の過料が科される可能性があります。
この制度の背景には、全国で深刻な問題となっている「所有者不明土地」の解消があります。
所有者が分からない土地は、相続が放置されていたり、登記上の情報が古くなっていたりすることが原因で、公共事業や災害復旧、空き家対策の妨げになっています。
氏名・住所変更の登記を義務化し所有者の情報を正確かつ最新の状態に保つことは、こうした問題の解決に役立ちますが、現代は忙しくてなかなか時間が取れない方や、お仕事等の都合で頻繁に住所を移される方も少なくないため、義務化に伴い所有者の負担が増大することが考えられます。
そこで、所有者が変更登記の申請をしなくても、登記官が住基ネット情報を検索し、変更があった場合に職権で氏名・住所の変更登記を行う「スマート変更登記」が開始します。
これには登記官が所有者の住基ネット情報を検索するための情報が必要となるため、「スマート変更登記」の開始に先立ち、令和7年4月21日から、所有権の保存・移転等の登記の申請の際には、所有者の検索用情報である「氏名のふりがな」「生年月日」「メールアドレス」を新たに申請書に記載することが必要になりました。
なぜ、メールアドレスも必要になるのですか?
メールアドレスは、登記官が職権で住所等変更登記を行う際の所有者への確認等に使用します。
そのため、司法書士等の代理人による申請の場合であっても、所有者本人が利用しているメールアドレスを提供する必要があります。手書きの書面で検索用情報を申し出る場合には、文字の誤認・混同を防止するため、メールアドレスの振り仮名の記載も必要になります。
メールアドレスがない場合は、その旨を申請書に記載することになります。その場合、登記官が職権で住所等変更登記を行う時には、登記名義人の住所に書面が送付される予定です。