遺言書の内容を変更したい場合は
2025年3月13日更新
Q 私は3年前に公証役場で遺言書を作成しました。
しかし、その後事情が変わって、遺言書の内容を書き換えたいのですが可能でしょうか?
はい、遺言はいつでも自由に撤回したり書き換えたりすることが出来ます。ただし、書き換えの場合はもちろん、撤回も、遺言の方式にしたがってする必要がありますので、注意が必要です。
【解説】
遺言書を作成したときに思っていたことが、時間の経過とともに変わることも珍しくありません。
遺言書を作成した当初に所有していた不動産を売却したり、別に不動産を購入したりした場合などのように、財産の状況が変化した場合や、遺贈をしようとしていた人と疎遠になってしまったり、新たに遺贈したい人や法人ができた場合などがその例です。そのまま遺言書の内容が実現されるのが嫌だと思った場合には、遺言書の書き換えを検討すべきであるといえます。
遺言は次のような方法で撤回することができます。
①遺言書の方式による撤回
遺言書の撤回は遺言書の方式によって行うよう法律で定められています。 具体的には、いついつの遺言書は取り消す、という形の遺言書を新たに作成する方法があります。
なお、以前に作成した遺言書が公正証書遺言でも、自筆証書遺言による撤回が可能ですし、その逆もできます。方式とは無関係に「常に最新の日付の遺言書が優先される」ためです。
②抵触行為による撤回
前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされます。そのため、遺言の内容を一部または全部変更して、新しい遺言を作成したときは、その変更された部分は、前の遺言が撤回されたものとして扱われます。
また、遺言がされた後に、遺言と抵触する生前処分その他の法律行為がされた場合も、その抵触する部分については遺言を撤回したものとみなされます。 例えば、「AはBに甲不動産を遺贈する」という遺言書が作成されていたとします。 この場合に、「AはCに甲不動産を遺贈する」という遺言書を新たに作ったり、「AがDに甲不動産を売却」したりした際には、これによって、前に作成した遺言書は撤回されたものとみなされることになっています。
③遺言書・遺贈の目的物の破棄遺言者が故意に遺言書を破棄したときには、その破棄した部分については遺言を撤回したものとみなされます。遺言者が故意に遺贈の対象となっている目的物を破棄したときも同様に、その破棄した部分については撤回したものとみなされます。
ここで注意が必要なのが、公正証書遺言については、作成した後に正本・副本が遺言者に渡されますが、原本は公証役場で保管されます。よって、渡された正本・副本を破棄したとしても、原本が公証役場に残っていますので、破棄したことにはなりませんので注意しましょう。つまり、遺言書の破棄によって遺言書が撤回されたものとみなされるのは、「自筆証書遺言」と「秘密証書遺言」のみになります。