ひまわりコラム

遺産の分け方について、話し合いができないときは?!

Q 父が亡くなり、私を含め兄弟3人が相続人となりました。私と妻が父と同居し、介護などを長年行ってきたこともあり、父名義の土地建物はできれば私が相続したいと思っています。
兄弟には法定相続分の割合のお金を渡そうと思っています。
しかし、長年没交渉の兄Aに、相続の手続きの件で電話をしても「勝手にしろ、自分は関係ない」とすぐに電話を切ってしまい、話しが全くできません。
ちなみに弟Bは私に賛同してくれています。このような場合、兄Aに対してはどのように進めればいいでしょうか?

全く話しができないのは困りますね。Aさんがお金で相続分をもらいたいと思っている場合、そのことを伝えてくれれば話しが進むのですが、ただ何となく気に食わないから、何かのことについて怒っているからなどの場合は、協力を得るのは難しいかもしれません。しかしながら、相続手続きは、相続人全員の協力が必要で、一人が協力しないからといって、その人を抜きにして手続きを完了することはできません。

Q では、どのようにしたらいいでしょうか?

Aさんは、たまたま現在体調が悪かったり、何かに憤慨している状況かもしれません。相続を急ぐ事情がないようであれば、半年か一年位時間をおいてから改めて連絡を取ってみるなどすると、すんなりと話しが進むことも考えられますが、いかがでしょうか?

Q 兄Aの性格や、これまでの言動から考えると、時間をおいても変わらないと思います。

相続登記義務化のこともありますし、早めに相続手続きを済ましてスッキリさせたいという気持ちがあることも理解できます。このような場合には、家庭裁判所で行われる「調停」という手続きをとることが考えられます。これは、自分以外の相続人全員を相手方として、家庭裁判所に申し立てることになります。

Q 今回自分に賛同してくれている弟Bも相手方となりますか?

原則として、相続人全員が調停手続きに参加することが必要です。ただ、Bさんからあなたへの「相続分譲渡証明書」という書類に署名押印をもらえれば、Aさんのみを相手方として手続きを進めることができます。

Q それは、どこの裁判所に申し立てることになりますか?

相手方の住所地を管轄する家庭裁判所になりますので、Aさんの近くの裁判所となります。

Q 調停手続きの流れを教えてください。

申立て後、裁判所はAさんに、調停が行われる日(調停期日)を記載した「呼出状」を発送します。
調停では、調停委員会(裁判官1人と家事調停委員2人)が中心となって進められます。調停室という小部屋で、調停委員が当事者から個別に話しを聞きながら、対立している点などを整理します。
遺産分割に関する調停では、1回の期日で終わることはほとんどなく、その期日で話し合いが終わらなければ、次回期日が設定されます。次回期日は、基本的に約1カ月程度後になります。当事者間で合意できれば、調停成立となります。半数近くが調停手続で話し合いがまとまり、調停成立となって手続が終了します。

Q もし、話しがまとまらなかったらどうなるのでしょうか?

その場合は、調停不成立となり、自動的に審判手続に移行します。審判手続では、裁判官が客観的な資料等に照らし合わせて、一番妥当と考えられる分割方法を定める審判を下します。

Q 分かりました。ただ、そもそも、兄Aが裁判所の呼び出しに応じて、調停の場に出てくることはないのではないかと思います。この場合は、調停自体始まらないのではないでしょうか?

調停に来ない相続人がいても、出席した当事者だけで調停は行われます。こうしたときは、出席した当事者からだけ事情や希望をきいたり今後の進め方を相談したりします。
欠席した当事者には、裁判所から電話で連絡するなどして次回期日を調整して出席を促します。
当事者の一部が欠席してもそれでただちに調停が打ち切りとなるわけではありませんが、裁判所からの連絡にもかかわらず欠席を続けた場合、調停は不成立として終了し、審判に移行します。審判となれば、不出頭であっても裁判官が妥当と考えられる審判を下します。

Q 相手が全く協力しなくても、何かしらの結論を出してくれるのですね。安心しました。 この調停をするには、どのくらい費用が掛かるのでしょうか?

調停は、弁護士に頼まなくても自分で申し立てをし、進めることができます。実費として、印紙代や切手代が掛かり、 その金額はケースによって変わりますが、1~3万円程度が一般的です。あと遠方の裁判所で調停を行う場合には交通費がかかるでしょう。
ただ、弁護士に頼まず、自分で行う場合は、裁判官相手に自分の主張をうまく伝えたり、平日仕事を休んで遠方の裁判所に出向いたりする必要があります。
また、相続手続きに時間やエネルギーを使いたくない、相手方のことを考えたくないという場合もありますので、そのような場合は、費用は掛かりますが弁護士に任せてしまうのも一つのやり方です。弁護士費用については、経済的利益によって変わってきますので、依頼する際に確認するとよいでしょう。

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