お墓や葬儀費用は相続財産になるのでしょうか?
2024年7月30日更新
お墓について
位牌、仏壇、お墓などの祭祀財産の所有権は「慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者」(民法897条1項本文)や「被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者」(同項ただし書)が承継するとされています。
そのため、祭祀財産は相続財産にあたらず、遺産分割の対象ではありません。なお、相続を放棄した場合でも祭祀財産を承継することは可能です。
葬儀費用について
葬儀費用とは亡くなった方の通夜や告別式、火葬などに要する費用ですが、これらは相続開始後に生じた債務であり、亡くなった方の債務ではありません。
相続財産に関する費用でもなく、遺産分割の対象ではありません。
もっとも、葬儀費用を相続財産から控除することについて共同相続人全員で合意できる場合は、遺産分割の対象とすることも可能です。
なお、共同相続人間で合意ができない場合は、葬儀費用を誰が負担すべきかについて、さまざまな説や考え方がありますが、確立した判例はありません。
そのため、負担者を法的に明確に定めることはむずかしく、通常は、喪主や親族がいったん立て替えて支払うか、相続財産である現金で支払っておくことが多いでしょう。
香典は相続財産でも、遺産分割の対象でもない香典は、葬儀主宰者が負担した葬儀費用の一部を負担することを目的に第三者から葬儀主宰者に渡す贈与と考えられます。したがって相続財産にあたらず、遺産分割の対象ではありません。
もっとも、現実には共同相続人の間の合意により葬儀費用を相続財産から控除する場合には、葬儀費用から香典分を差し引くことが多いようです。