共同親権とは?
2024年6月24日更新
Q 共同親権という言葉をテレビで聞きましたが、どのような制度なのでしょうか?
現在は、離婚後は父母のどちらかが親権をとる単独親権ですが、共同親権は父母の両方が親権をもつ制度です。共同親権になると、子どもの進路(受験や転校など)や、生命に関わる医療行為(手術など)について、父母どちらの同意も必要となります。
例外として「子どもの利益のため急迫の事情があるとき(緊急手術やDVからの避難など)」や「教育などに関する日常の行為(習い事の選択など)」はどちらかの親の単独で判断できるとされています。
また、この制度は、2024年5月17日に成立し、2026年までに施行されることになりました。
共同親権施行後は、離婚の際に、単独か共同かどちらかを選ぶ必要があり、父母の話し合いによって決められます。しかし、話し合いにより決まらなかった場合は、家庭裁判所が親権者を指定します。
この制度が取り入れられる背景として、フランスやイタリアなどの欧米諸国や韓国などのアジアにおいて共同親権は導入済みであり、先進国では離婚後の単独親権制度をとっている国は日本位という現状があるようです。
Q 共同親権のメリットは何でしょうか?
離婚後も両方の親に子の養育責任があることが 明確になり、別居親も子の養育に関わることができるので、円滑な面会交流や養育費の 支払の確保が期待されています。また、親権争いの激化や離婚紛争の長期化を防止できるというメリットもあると言われています。
Q 共同親権のデメリットはありますか?
元配偶者のDVやモラハラから逃れられなくなる可能性が高まったり、両親が対立すると、子どもの教育方針を決定するのに時間が掛かったりするのでは‥と言われています。
Q 2026年の共同親権導入前に離婚すれば、共同親権にならないのでしょうか?
共同親権導入前に単独親権として離婚した場合でも、家庭裁判所へ親権者変更の申し立てを行い、家庭裁判所で認められれば、単独親権から共同親権に変更することも可能です。
Q 共同親権の場合、再婚したら、親権は誰がもつことになりますか?
再婚相手と子どもが養子縁組をした場合、親権は「養親」と「養親と再婚した親」が持つことになります。ただ、15歳未満の子どもと再婚相手が養子縁組をするには、共同親権者双方の許可が必要となります。もし難しい場合は、父母いずれか一方の許可で養子縁組ができるようにするため、家庭裁判所に申し立てをする必要があります。
Q 養育費に関する制度も創設されると聞きましたが?
離婚時の取り決めがなくても、親権の有無に関わらず最低限の金額を請求できる「法定養育費」制度が創設されることになりました。金額は未定ですが、他の債権より優先して請求できる権利が付けられます。